代表幹事退任のご挨拶

森田　明

来る１０月から３年間、内閣府情報公開・個人情報保護審査会の常勤委員に就任することとなりました。情報公開や個人情報保護の審査会は各地にあり、すべて非常勤の外部委員で構成されていますが、国の審査会は１５名の委員のうち１０名が非常勤で５名が常勤です。非常勤２名と常勤１名の３名で１つの部会を構成します。非常勤委員には学者や弁護士が入っていますが、意見聴取や答申の下書きをする常勤委員は裁判官・検察官・行政といった(広い意味での)「官」の出身者で固められてきました。日弁連は、常勤委員として弁護士を入れることを求めてきたものの実現しそうにありませんでしたが、政権交代に伴う方針転換の一環で弁護士を受け入れることになったようです。しかし常勤委員は兼業禁止のため弁護士業務はできなくなるなど条件が厳しいため実際に応じられる弁護士は少なく、私にお鉢が回ってきました。

率直に言って、情報公開の問題には長年かかわってきましたので、その分野の仕事に専念してみたいという気持ちはありましたし、請求者側の経験のある者が常勤委員に入る意味は少なくないとも思います。もっとも、合議制の機関の中でどれだけのことができるかはわかりません。過大の期待は持たないでください。

１０月からは毎日永田町の庁舎に通うことになり、法律事務所も抜けることになりますし、中立性が求められる関係上、オンブズマンの活動はできず代表を続けるわけにもいかないので、退くこととなります。

よこはま市民オンブズマンでは、設立時から代表幹事をしてきましたが、弁護士が活動をリードするのではなく、法的手続きを含め、市民が自ら取り組むことを中心にして、必要に応じてアドバイスをするという形でかかわってきました。今では難しい問題にもいちいち弁護士の意見を聞かずに取り組める状況になっていますし、必要があれば阪田弁護士らによるサポートも得られるでしょう。

いったんお別れとなりますが、皆様の一層のご活躍をお祈りします。