広報誌６８号・７３号で故池田威夫さんから、８８号で星野芳久さんからと、これまで３回にわたり掲載してきた鎌倉市の「大船観音前マンション」問題がようやく「ほぼ決着」という段階になったことから、あらためて総括的な報告をいただいた。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
はじめに
本稿は、表記の問題（以下「本件」という。）につき、関係者である私たち２人がまとめたものです。
本件は、鎌倉市（以下、単に「市」ともいう）が行った開発許可処分が２度にわたって神奈川県開発審査会（以下、「県審査会」）によって違法と裁決された事件で、市や事業者は「岡本二丁目マンション計画」としているものの、私たちや多くのメディアはその地理的特殊性等から「大船観音前マンション問題」と呼んでいるものです。
発生から１０年以上を経てようやく「ほぼ決着に近付いた」段階ですが、以下、本件許可処分の違法が確定したまでの時期と、その後の、現地の後処理に関する時期とに区分してご説明いたします。
１ 鎌倉市の開発許可処分をめぐって
２００４（平成１６）年１１月、開発業者が近隣住民宅を個別に訪れ、開発計画書を置いていった。
近隣住民（以下「住民」「我々」「私たち」等）は、住民に対する統一的な説明を求め、翌月、説明会が開催された。
計画は、私たちの住宅地の中央に位置し、バス通りをはさんで大船観音（以下「観音様」）に面する丘陵の一部（岡本二丁目７８番１ほか３筆、約2,500㎡）にマンションを建てようとするもので、計画建築物（以下「マンション」）は地上９階地下３階建。地下階は背面が地中にあるものの前面は露出しているので、外見上は地上１２階建、当時としては市内最高高さとなることが分かった。
しかも、敷地は「岡本緑地」につながる斜面で、岡本緑地からバス通り（幅員約１２メートルの鎌倉市道053-000号線。以下「バス通り」）にかけては「緑地保全推進地区」が指定されており、本件計画地の約４割がそれにかかっている。つまり、観音様の面前で、緑地としての保全が期待される場所に、観音様を凌ぐばかりの高層建築を作ろうとするものである。
事業者代理人（以下、「業者」。名義上の事業者は、一度も現れず）は「この場所の特殊性を尊重してマンションの最高高さは背後の稜線を超えないようにする」と表明した。
この発言は文書に記録し、住民・業者の双方が保管するとともに、市にも一部を届けた。
ところが、我々が仔細に検討したら、建物の一部が稜線を超えている。
これを指摘すると、業者は２度にわたって計１メートル、計画高さを低減させた。
しかし、計画図の稜線にも疑念をもった永末が実地測量をしたところ、実際の稜線は計画図よりも約２メートル低いことが明らかとなった。
業者も実測したところ、結果は全く同じであった。
そこで我々は、約束にしたがって建物高さを低減させ稜線を超えないよう是正することを求めたが、ここに至って業者は態度を一変させ、「そんな約束はしていない」と言う。
「文書にも記録があるではないか」と指摘すると、「超えないようにすると書いてあるが、約束するとは書いてない」と逃げ口上。
我々が「約束という文字はなくても、『する』というのは『約束する』ということ」と言っても平行線のまま進展はなく、２００５（平成１７）年２月、市の都市計画審議会（以下、「都計審」）にかけられることとなった。
星野は都計審委員（会長）であったので、当局から事前の説明があった。
星野はマンション計画地に隣接する２項道路（これも業者側の所有地）の隣地地権者で現地の状況を熟知しており、この計画の接道に疑念を呈したところ、担当の次長は「市道の改良計画があり、それによって接道することになる」とのこと。
二十有余年にわたって同審議会に係わり当局に深い信頼を抱いていた星野はその説明を了として具体的な確認作業をしなかった。（今にして思えば手落ちであったと後悔している。）
審議会において星野は「本件敷地の相当部分に緑地保全推進地区の指定がかかっていること、業者がマンションの高さに関する住民との約束を守っていないこと等により、慎重な審議を求める」旨の意見書面を提出したうえで、隣地地権者（利害関係者）であるので審議には加わらなかった。
都計審は激論のすえ、僅差であったが計画を了承し、３月に市は開発許可処分を行った。
しかし、今まで信頼してきた市が、どうもおかしい。
マンションの高さについての「約束」問題について業者もどきのすり替え説明をするし、市道改良計画についても「民民不介入」とか言って説明を拒む。
（え！「市道」の話が「民民」の筈ないじゃないか！）
接道についてキーとなる筈の市有地も、調べてみると、これもどうもおかしい。
ここで若干の説明をすると、マンション計画地（以下「事業用地」、あるいは後段の部分においては「跡地」）は風船状で、奥は広いが入口部分は幅約６ｍと極端に狭く、市有地＝岡本二丁目260-2（以下、「260-2」）に接している。
この260-2は上部山林（事業用地）の崩落から下の道路（市道053-101号線。幅員約３ｍの階段状の坂道。以下「階段市道」）を守るためのものだが、調べてみたら「地目山林、現況石垣」ではないか。
つまり、事業用地は道路には面していない（必要な接道要件を満たしていない）と思えるのだ。
【案内図、位置図参照】
そこで、住民側は県審査会に審査請求をなすに及んだのである。
しかし、現場では開発工事が始まり、緑は剥ぎ取られ斜面が切り刻まれていった。
この工事がほぼ終えようとした１２月、県審査会の裁決が下された。
「鎌倉市の開発許可処分は違法につき、取り消す」というものである。
市は、「市有地260-2を道路用地として認識し、260-2と階段市道を通行可能な道路状に整備することにより053-000号線に出入り可能となることから、機能的に一体の道路となり最終的な道路形態として053-000号線を含めて幅員６m以上の道路」となるとして許可処分を下したのだが、県審査会はそれを認めなかったのである。
県審査会の裁決を受けて市議会は、市長の問責と、破壊された市有地の原状回復とを決議した。
市の論法は、地目・山林、現況・石垣の260-2を道路用地であるとし、更にそれと階段市道の一部を除却・平坦化して事業用地への入口を作るというもので、「このマンション、何とかして建てさせてやろう」という意図がなければ成り立たない。「市道の改良計画により接道する」とは、よく言ったものだ。
実態は「開発不能な袋地に、市有地を提供して入口を作ってやる」ことに他ならず、そのあおりを受けて階段市道は下端の７～８メートルを取り壊され、勾配は急に、踊り場は極端に狭くなってしまう。市道の「改良ではなく、改悪」である。
さらに、われわれの質問に対しては、「民民不介入」などと言って説明回避をしたのである。
年が明けて２００６（平成１８）年２月、市は「違法とされた事項を業者が補正したことによって計画は合法となった」として、再び許可する意向を表明した。
これに対して市議会は、２月定例会でこの行政判断に重大な懸念を表明したが、市の答弁は混迷するばかりで議会は１週間紛糾した。
星野もまた都計審会長の立場から「許可処分が取り消されたからには都計審における審議を始めとする手続きのやり直しが必要」と２度にわたって石渡徳一市長に文書で申し入れたが回答が一切ないまま４月に至り、市長は再度の許可処分をなした。
そこで星野は、都計審委員を始めとする市の役職の全てについて、抗議の辞職をした。
ここに、反省の姿勢を見せない市行政に反対する市民組織（「大船観音前マンション問題にとりくむ市民会議」。以下、「市民会議」）が結成され、「鎌倉の緑と景観を守れ！」とのシュプレヒコールも高らかに、市議数人を含む数百人規模のデモ行進を鎌倉地区と地元（玉縄・岡本地区）で実施したり観音下で「森の再生を祈る」大規模な野外コンサートを開いたりして問題を広くアピールした。
一方で、地権者やその関係者への働きかけをも行い、また住民は、この許可処分につき、再度、県審査会に審査請求をなした。
年が明けて２００７（平成１９）年１月、県審査会から再び「違法」との裁決がくだされた。接道要件違反という実体上の違法で許可が取り消されたのであるから、（旧）計画の手直しで再度許可処分をなすことは認められない、とのことだ。
同一事件で２度も違法裁決を受けるという、鎌倉市政前代未聞の不祥事となったのである。
石渡市長は市主催の、また市民会議主催の説明会で誤りを認めて謝罪し、誠意をもって事後処理にあたるとし、市民会議とは毎月１回程度の頻度で協議していくことを約した。
しかし協議は４月に１回行われただけで、その後は市民会議の度々の要請に回答すらよこさない状況のなかで７月に至り、業者が県審査会を相手どって「県審査会の裁決は誤っているので取り消せ」との訴訟を横浜地裁に起こした。
これに対して住民は訴訟参加をし、市もまた業者側に立っての補助参加をなした。
この訴訟は２００９（平成２１）年８月、原告全面敗訴となったが、９月に業者は東京高裁に控訴、住民と市も、１審同様、訴訟参加と補助参加をなした。
その直後の１０月に鎌倉市長選挙がおこなわれ、石渡氏は立候補を諦め、この問題を市民の側に立って解決することを公約とした松尾 崇氏（前・県議）が当選した。
松尾（新）市長は１２月に市の補助参加を取り下げ、翌２０１０（平成２２）年の３月３０日、東京高裁は原告の控訴を棄却。そして４月には業者は最高裁への上告を断念、本件の法的問題はここに決着したのである。
さて、ここで本件事実解明の動きについても若干触れておきたい。まず、県審査会から２度にわたる違法裁決を受けた市であるが、２００７（平成１９）年２月５日、石渡市長を長とし理事者ならびに当該処分関係職員からなる委員会（以下「内部委員会」）を組織した。
しかし、調査結果は開発許可に至った事実経過をまとめたものに過ぎない。
また、同年２月２２日、市議会は地方自治法第百条にもとづく「百条委員会」（以下、「委員会」）を立ち上げ、関係職員やその他の関係者（業者や星野を含む）を参考人として招致して真相究明に努めた。
その過程で、本件に関して市職員が顧問弁護士に百回を超す出張を重ねていたことが分かり、委員会はその出張報告書（復命書）の提出を求めた。
しかし、「復命書は、一切ない」という。それでは「出張に関する個人的メモはあるか」との委員会からの問いに最初の参考人職員は「ある」としたがその後の参考人職員は、全員揃って「ない」と言う。それでは「メールのやり取りは残っているか」との委員会質問に関しても、最初の参考人職員は「ある」としたが、これについてもその後の参考人職員は、全員揃って「ない」と回答。行政による露骨な情報隠しが明らかになった。
また、委員会の最終的報告は（「委員会確認には委員全員の一致が必要」との不可解な申し合わせがあるそうで）委員会活動の経緯記述だけにとどまってしまった。
唯一見るべきものがあったのは、外部の有識者（法律や都市計画の専門家、５人）からなる岡本二丁目マンション計画外部調査対策委員会（以下「外部委員会」。２００７年１０月１５日設置）である。
外部委員会は、市の説明はもとよりのこと市民意見も聴取しながら当局の法解釈を点検し、その不備を具体的に指摘した『報告書』（２００９(平成２１)年１１月）を出した。
しかし、内部、百条、外部の委員会のいずれもが、本件不祥事の責任所在追及には至っておらず、我々のみならず少なからぬ市民から不満が表明されている。
破壊される前の「階段道路」 ↑
２ 「現地」の事後処理をめぐって
法的問題が決着した後の中心課題は「現地」の事後処理であるが、２つに大別される。
一つは開発工事に伴って破壊された市有地（階段市道）の原状回復であり、もう一つは、荒れ放題に放置されている跡地（事業用地）の事後処理である。
松尾市長は、市長就任直後の２００９年１１月２７日、現地を視察に訪れた。
その折に、住民の一人（８０歳代の独居女性）が「市長さん、もう限界です。これ以上は耐えられません。」と切々と訴えていたが、年が明けて２０１０年の１月中旬に至り、ついに亡くなってしまわれた。
我々近隣住民のみるところ、彼女を含め３人の方が本件トラブルで命を縮められたと思われるところであり、一日も早い解決が強く望まれるのである。
トラブルは、業者のいやがらせの他、切土されたことに起因するバス道路からの通行振動の増大や荒廃した事業用地での不審者の出没、さらにまた階段市道破壊で外出が極めて困難になったこと等多岐にわたるが、とりわけ通行障害問題は住民全体への影響が甚大であり、特に高齢者の場合、自由な外出が阻害されたことによる健康維持への悪影響は無視できない。
従前から我々は、住民の不安と不便が極限状況にあるとして市議会に「住民の不安と不便の早期解消」の請願をなし、市議会もまたそれを採択してきた。
しかし、事態打開が一向に進まないままで、結局このような悲惨事を招いてしまったのは誠に無念である。
ここに我々は従前にも増して生活道路の復旧を第一優先に上げて取り組むこととした。
階段市道の原状回復について当局は、当初、違法と確定した開発許可の取消処分をなした後、業者に道路の復旧工事を指示し、従わない場合には行政代執行を行うとしていた。
でも、業者の抵抗でその手続きは一向に進展しない。
一日も早い道路復旧を願う我々は市に対して、市単独による工事実施を繰り返し求めていたところ、同２０１０年１１月、市はついにその方向での工事実施に方針転換し、翌20２０１１（平成２３）年２月議会にその設計予算を申請した。
しかし市議会は「道路復旧だけでは本件の解決とならない。跡地問題も含め、業者・地権者とも協議して根本解決を図れ」として、この予算を全額削除したのである。
ここに道路復旧はまたも「棚上げ」にされてしまった。
一方、跡地問題については崖崩れの心配や不審者出没等の問題があり早期の解決が望まれるのは当然だが、これについての協議に住民が加わることは業者との癒着とか利益誘導とかの疑念を招く恐れがあることから距離をおくこととし、市と業者との協議には一切関わらないこととした。
市長は、就任の翌年（２０１０年６月）、本件に関する「市の４つの考え方」と題する基本方針を公表し、業者の開発希望に非協力の姿勢を明らかにした。
業者は終に断念したのか、市に対する怨念や不満を暴露するようになった。
つまり、「前市長の時代には非常に協力的だったのに（市長が代わったら・・・）」とか、訴訟に関しては「市が頼むからやったんだ。市は県の裁決に逆らえないので、貴方（業者）に裁判を起こしてもらいたいといったんじゃないか」と当局の面前で公言する始末。
それに対して市側の反論は一切なく、これらのことについては業者の言うことはおおむね真実なのかと思われるところである。
結局、業者はこの頃から姿をみせなくなり、２０１１年（平成２３）年１１月以降、市の協議相手は主たる地権者「セコムホームライフ㈱」（警備大手「セコム（株）」の系列会社。以下「ＳＨＬ」）に代わった。
ところで２０１１年といえば、３月に「３．１１」（東日本大震災）が発生したわけだが、その年の１１月、ＳＨＬから「市民の安全を旨とする企業として、現地をこのままに放置することはできない。「恒久的安全対策を講じたい。」との申し出があったことが市長から伝えられた。「様子を見たい」との市長の意向に我々も同意し、結果を待つこととした。
しかし、歳月が経過する中、やがてＳＨＬから「費用の関係から、恒久対策は断念する。所有地は市か、第三者に売却したい。」と伝えられ、「よい結果が得られるのなら」と忍耐を重ねてきた我々は、またもや期待を裏切られた。
結局、「第三者」は見当たらなかったとみえ、ＳＨＬは、今度は「土地は市に売却か長期リースしたい。その使途について異議は申し立てない。」と申し出てきたとのことだが、市は「相手方との約束により、最終的な結論を得るまで協議内容については一切話をできない。協議の記録も全く無い。」という。
我々は市長に期限を限っての交渉を求めたが、市長自身が公言した期日を守らないことも再三あり、２年以上が経過した。
こんな「つんぼ桟敷」と「一寸のばし」の状態に長く置かれ、我々の不満と不信が限界に近付いた昨２０１４（平成２６）年１０月、ようやく朗報が伝えられた。
ＳＨＬが市に、事業用地の「無償かつ無前提」での寄贈を表明、市はそれを受容したとのことである。
それに伴って市は、特命の岡本二丁目用地活用担当（以下、「特命担当」）を設置、特命担当は子育て支援や交流を主とする用地活用の基本方針（案）を作成・公開し市民からの意見募集を実施した。その内容は我々を含む大方の意見者が了とするものであったので、これを踏まえて今年度は、関係部課による計画の精査が進められている。
さて最後に、再び道路復旧問題に戻ると、２０１１年２月の市議会で申請した設計予算が全額削除されてしまった直後に「３．１１」が発生し、多くの尊い命が失われた。
我々は市議に対するアンケート調査を行い、議員にとって最も重要な使命は何かを尋ねてみたところ、「市民の命を守る」との回答が抜きんでていた。
そこで我々は、本件トラブルで近隣住民の命が危険にさらされており本件の早急な解決は喫緊の課題であることを訴えたところ、多くの市議が理解と協力の姿勢を示すに至った。
我々と道路当局との意見交換も継続され、工事は「仮設」がいいのか「本設」とすべきか、とか、階段市道下端の破壊された部分につきどう考えるのか等が議論されたが、跡地問題が決着しない限り、本当に詰め切ることは困難であった。
しかし、跡地の市への帰属が決定したのを受けて、最近にいたってようやく基本的な復旧方針については最終的合意に達した。本年６月市議会で道路復旧のための設計費が承認され、本件発生から１０年以上を経てようやく、この問題もほぼ決着に向かっていると信じている。
おわりに
法的問題や道路復旧の問題が住民の考えや希望に沿った結果となったのは、我々の主張がエゴではなく正当なものであった結果だと信じられて、誠に喜ばしい。しかし、万々歳と終わらせることはできない。つまり・・・
市とのトラブルを抱えるようになって、鎌倉市政に対する我々の信頼は大きく損なわれた。業者まがいのすりかえ説明、「民民不介入」などという普通人には理解できない用語の多用（「一般市民に分かるように説明して」と依頼しても故意か能力不足か、応じてもらえない）、嘘と断定する物的証拠はないが「明らかな情報隠し」等々、列挙にいとまがない。
「自治体全体、職員全体は真面目」と信じたいものの、裏切られ続けた苦い経験がそれを拒んでいる。
県審査会の裁決書や外部委員会の報告（意見書）を読むと、市の説明は二転三転しており、「無理に無理を重ねて許可処分をなした」ことが強く疑われる。
その背後に何か大きな圧力がなかったのか、こんな無理で違法な手続きを押し進めた担当職員に責任はないのか、そういった「闇の部分」に切り込まない限り、再発防止は困難と思われる。ところが、２段構え、３段構えの調査でも、それは明らかにできなかった。
調査機関の権能の強化や罰則の制定、公益通報制度の内実化等が必要と思われる。
特に、市議会の「百条委員会の確認には、委員全員の一致が必要」などという「申し合わせ。」は撤廃されなければならない。こんなことでは真相解明や責任追及などは出来っこない。最高裁判所の判決ですら「判事全員の一致」など求めていないではないか。
マンション計画が提示されてからすでに１０年以上を経過する中で近隣住民の受けた苦痛は筆舌に尽し難く、悲惨な事態も生じてしまった。
裁判でも行政手続きでも、何故こんなにも時間がかかるのか？「懸案は、他にも山積している。」「慎重を期す必要がある。」等々の言い訳は聞きたくない。関係者が死に絶えた後の解決など、解決とは言えない。
・・・もう、これくらいにしておこう。頑張っても、頑張っても、事態が好転せず、心が折れそうになった時もあった。
しかし、なんとか頑張り続けて、終には良い結果を得ることができた。
これは偏に鎌倉市民の広範な支持と、事案を社会に知らしめてくれたメディアの働きに負うものである。この稿を閉じるにあたり、このことを明記して、深く感謝の意を表したい。
|
補助者として監査に加わった当オンブズ会員（ご本人の弁によれば「会費会員」）の藏本隆さん（公認会計士・税理士）にお話をうかがった。