閉ざされた市議会を変えたい
私たちは平塚市議会を開かれたものとするために、2年前から市議会傍聴ツアーを企画している市民です。
市議会から発信される情報が限られていることや、情報発信も遅いために議会の状況が公にならず、また市政に興味を持つ市民も少ないため私たちはとても苦労していました。
そのような状況下で、かながわ市民オンブズマンが実施した「開かれた議会度」の調査結果が新聞に掲載され、平塚市議会のひどい現状を他市町村との比較や数字でしっかりと見える化していただきました。
平塚が最下位と公表されたことは、市議会が変わる大きなきっかけになると期待しています。
開かれた議会という観点で、他市町村から大きく遅れをとっている平塚市議会の現状について多くの人に知っていただきたいです。
期待を大きく下回る市議会の現状
初めて傍聴に行ったときの衝撃を今でも忘れられません。目に映ったのは、市民のための議論がなされているとは思えない、驚くほど閉鎖的な議会でした。
時間の枠内で終わらせることを優先し、議論を尽くさずにすぐに多数決で決める。何度も暫時休憩をとり各会派室にこもって相談するので、その間の議論が会議録に残らず、傍聴者にもわかりません。
また、暫時休憩中の、会派控室の方から怒鳴り声が聞こえる。少数会派の議員の発言中に多数会派の議員が威圧的にヤジを飛ばすなどのハラスメントも横行しており、この他にもわずか2年間で私たちは8件のハラスメント事案を目撃しました。
陳情の付託が0件の衝撃
陳情は受理義務が法律で定められておらず、議会が市民参加を重視する姿勢を持っているか否かが現れます。
かながわ市民オンブズマンが実施した調査によると、2023年4月から2025年12月の間に平塚市で委員会付託された陳情は0件でした。
他にも山北町と湯河原町が0件でしたが、平塚市は人口25.7万人の都市であり、0件という異常さが際立っています。(山北町9000人、湯河原町21000人)
平塚市議会での陳情の取り扱いの流れを知ると、なぜ委員会付託が0件なのかを理解することができます。
議会運営委員会において、議会局次長が陳情内容を説明した後に、先例に従って取り扱いの提案をします。取り扱い方法は「議員配布」か「会派持ち帰り」の2択のみで、その後議員に賛否の意見を求め、議員が追認するというパターンが常態化し、協議はされません。
陳情の規定には、議長が必要と認めれば委員会付託される旨の記載がありますが形骸化しており、議会が市民参加を軽視していることがわかります。
請願にも平塚市独自のルール
憲法で保障されている請願ですら、平塚独自のルールによる縛りがあります。
請願者が意見陳述を許されるには議会運営委員会で全会一致が必要であるという申し合わせ事項が2016年9月から存在します。
全会一致のハードルは高く、請願者が意見陳述を希望して承諾された前例は10年間で1件だけです。
2024年12月の議会運営委員会で、「全く面識のない方からいきなり意見陳述とはいかがなものか。これから請願を調査していく時期になると思うので、清風クラブとしては意見陳述に反対させていただきます。」と発言したのは自民党会派である清風クラブの片倉議員でした。
更に、公明ひらつかの秋澤議員は、「会派としてコンセンサスは取れていないが、清風クラブさんと同意見とする。」
湘南フォーラム絆の山原議員は「意見陳述は、全会一致なので、どこか1会派が反対すればできないので、結果的に今回は見送りとする。」などと発言し、会派内で十分に話し合いもされてない様子で反対の理由すら述べることはありませんでした。
しらさぎ会派の江口議員のみが、「請願を出していただいた方に意見を申し述べていただこう」と発言しており平塚市議会の会派の中で唯一、市民の意見陳述に賛成でした。
(各議員の発言は平塚市が出している議事録より原文のまま抜粋しています。)
休憩時に片倉議員に対して、なぜ初対面の人が意見陳述することに反対するのか投げかけたところ、陳述したければ事前に5、6回は会派に説明に来てほしい、それが清風クラブのルールとのことでした。
請願者の意見陳述に全会一致を必要とする規定は、市政に市民が参加するための大きな障壁となっています。私たちはこれらルールの撤廃を強く望みます。
また申し合わせ事項には、意見陳述者及び紹介議員に対する質疑は行わないことが規定されています。ランキングNo.1の茅ヶ崎市議会では、質疑をして理解を深めることで潮目が変わることがあるそうです。
議員に請願者の思いをより理解してもらうために、議員が陳述者に質疑できるよう規定の変更が必要です。
委員会中継は開かれた議会への第一歩
本会議が中継され、後日その動画がネットで公開されるのに対して、委員会は、中継や録画がされていないため、市民は委員会での出来事を議事録でしか見ることができません。更にこの議事録は、委員会が行われた2ヶ月後に公開されるため市民は知りたい情報をすぐに知る術がありません。
本会議も委員会も行われるのが平日の日中です。仕事をしている多くの市民は傍聴ができません。また学生からも委員会の動画中継がいつでも見られるようにしてほしいという要望があります。
市民が雑談の中で佐藤貴子議長に委員会中継について要望したところ、予算がないとおっしゃっていたそうです。
実は今の平塚市の新庁舎が建設された際に.本会議場と委員会室2部屋には1億4595万円かけてマイクなどの音声設備及び映像設備が設置されています。
これだけの額の税金を投入しながら、使用されているのは本会議場のみで、委員会室の設備は新庁舎設立以来一度も使用されていないそうです。
委員会中継に関して、私たちは何度も議会局に足を運び、要望してきました。議会局から議長に伝えてくれているそうですが、全く進展がありません。
私たちはこのタイミングで請願を出す決断をしました。平塚市議会がどのような判断を下すのか、多くの方々に注目していただきたいです。
市民が変われば、議会が変わる!
"議会(議員)を改善するには、市民が関心を持ち、傍聴して実態を広報する地道な活動が成果につながる"
かながわ市民オンブズマンとのメッセージのやり取りの中でいただいた言葉に深く共感しました。世直しのために30年もの間活動されていらっしゃる方からの言葉には重みがあり、私たちのこれからの活動の道標になると思います。
市民が政治に無関心だと、政治は市民のために行われない。有権者は投票して終わりではなく、自分が選んだ議員が議会でどのような発言をし、誰のために働いているかを注意深く観察する必要があると感じました。
県議会の常任委員会の傍聴が認められていなかったこと。市民オンブズマンが傍聴申請をして不許可となったため国家賠償請求訴訟を提起するなど、傍聴させるよう求め続けたという事実はとても衝撃的でした。
このようなことも政治家ではなく、名もない市民の行動が変えていった。
私たちも傍聴や広報活動を通して、市民の声が届く開かれた議会を実現したいと思います。
番外編〜最下位とNo.1の圧倒的な差
6月29日、茅ヶ崎市議会最終日の傍聴ツアーに参加しました。傍聴者ウェルカムの姿勢が伝わってきて驚きの連続でした。
・名前、住所記入不要
・議場のドアが常に開かれている
・ガラスで議場と傍聴席が仕切られていない
・傍聴者を監視する職員がいない
・乳幼児を連れた人のための特別傍聴席は入口のすぐ横にありバリアフリー
・スマホ使用可能、動画、写真撮影自由
・飲み物OK
傍聴ツアーに参加していた海老名市議会の議員さんと、いつから茅ヶ崎市はこんな先進議会になったのかという話で盛り上がりました。傍聴ツアーの主催者に尋ねても、よくわからないようでした。
後日に6月4日付の日本経済新聞の記事を読んだ時に「これだ!」と、ピピっときました。2014年から現在に至るまで、議会改革に対する茅ヶ崎市議会の熱量が半端ではありません。議会基本条例発祥の地である北海道栗山町などを視察に行き、話し合いを重ね、陳情提出者が議会で発言できる時間を必ずとり、政務活動費を領収書をつけて1円から公開してきました。
一方平塚では、議会基本条例について2018年から2020年にかけて議会運営委員会の中で話は出ているのですが、議員の中であまり関心が持たれず、本会議に上がらなかったと、議会局で聞き取ることができました。
議会改革に関して平塚市議会は10年間も冬眠中です。議員を変えなければ。
追記
6月24日、請願者の意見陳述が認められました!ランキングの最下位だったことが大きく影響していると考えています。 |